2007-11-11(Sun)
粋なお遊び [鉄道ばなし]

K100D+smcPENTAX-DA 12-24mmF4ED AL
大阪・茨木市にある真龍寺という真言宗のお寺。その境内に蒸気機関車が保存されています。
D51882号機。昭和11年に製造され、昭和48年まで働き続けたこの機関車の最後のネグラは今はもうない奈良機関区でした。

K100D+smcPENTAX-DA 12-24mmF4ED AL
この機関車のデフレクター(除煙板)にはこんな装飾が。
国鉄からSLが消えようとしていたその頃、奈良機関区に配置されていた複数のD51のデフにいろんな装飾が施されていました。その中でも一番有名で、かつ秀逸(だとわたしが思う)のがこの882号機「月と鹿」です。こうやって保存されたがゆえにその姿を今でも見ることが出来るのは嬉しいかぎりです。
おそらくは奈良機関区の現場の人が消えゆくSLへのはなむけとして、ともに働いた仲間にささやかな「花」を添えてあげたのでしょう。にしてもこれはなかなか粋ではありませんか。
この装飾、螺鈿や彫金細工のような伝統的な日本の工芸のたたずまいがあるように見えます。現代の鉄道車両にはその多くで「機能だけではないデザイン」という考え方が取り入れられるようになっています(中にはデザインだけ先走っているものも…)が、おそらくその機能を果たすために設計されていたかつての車両にも、意図していたかどうかは別としてデザイン性の豊かなものが多くあるとわたしは思います。
同じ蒸気機関車でもそのスマートさから「貴婦人」の愛称で呼ばれたC57とは違いいかにも無骨なD51に施されたちょっとしたお遊びから感じる「和」。ここからいろんなものが見えてくる。
それも鉄道趣味の面白いところなのです。
882号機の現役時代やその他の装飾機については以下のサイトに写真があります。
▼「汽車・電車1971〜」
(この中の「蒸気機関車 〜1976」→「装飾機」にコーナーがあります)
Posted by Nia at 23:25
コメント
>GaoYanさん
行きたいんですけどねぇ…休みが足りましぇん(泣
平渓線でC12が走り始めたそうですよ?
異国を走る日本産のSL、いかがでせうか?(笑
かくいう大井川鉄道も動態保存機関車のメンテ・補修には相当苦労しており、常に複数台の機関車を稼動させ老朽化で引退した機関車も「パーツ取り」用に残す、それでも足りなければ各地の保存機関車から使えそうな部品を譲ってもらうなど相当の苦労をして営業運転を続けています。それほど製造が止まってしまい部品の入手も困難な機関車を動かし続けることは大変なのです。本当、頭が下がる思いですね。
またおそらく大井川鉄道の路線規格では軽量な機関車しか入線できないと思います。
>最後のネグラは〜
いえいえ、静岡県の大井川鐵道に来れば現役復帰も夢ではないかも。
んでも山間のローカル線にデゴイチは大きすぎるかなぁ。
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