2008-09-07(Sun)
ペンタックスユーザーの憂鬱 [Camera[PENTAXandK]]

ニコンはD90、キヤノンはEOS50Dと新製品が華々しくデビューし、更にフルサイズのニコンD700が話題の的になってるかと思えばどうやら近日キヤノンがEOS5MkII(?)を発表する模様。一方でオリンパス&パナソニックのフォーサーズ連合は「マイクロフォーサーズ規格」を立ち上げ、明らかにフルサイズになびく他社とは違った魅力でアピールしている。
そんな中、ペンタックスは…。2月にK200D、3月にK20Dをリリースして以降音沙汰がない。
無論2強(ニコン・キヤノン)の規模やリソースと比較するのは間違いかもしれないが、少なくともこれまでの機材リリース間隔からみると動きがぱたっと止まってしまったような感がある。タイミング的にはHOYAの一部門になってしまった途端になので、うがった見方もしてみたくなってしまう。
かねてからHOYAはペンタックスのライフケア部門にしか興味がないことを公言している訳だし(カメラ事業を売り飛ばす可能性に言及したHOYA側の態度が合併話の紛糾の一因でもあったわけで)、前四半期にはカメラ部門を整理縮小なんて話が聞こえてきたり、今年度第1四半期の決算説明会では「ペンタックスらしい基本に忠実な技術」の製品が「適時にリリースできていない」なんて他人事のように言われてみたり、やる気のなさが見て取れる(あくまでも現場じゃなくHOYAが、という意味で)。
2強に対抗してがんがん行けといって出来るわけじゃないしそれを望む気もないが、K20D/200Dでいつまで引っ張れるのかという疑問は消えない。いくらいいカメラでも市場の大波に埋没してしまい存在がかすんでしまえば次の手を打ちたくてもはなから座席が用意されていないなんて事態にもなりうるだろうし。旧来の「ファン層」にすがるだけじゃだめでしょ。
確かにK20Dも200Dもいいカメラだと思う。けどすべての部分でそうだというのではない。以前も書いたのであえて繰り返さないが、新技術以前にまだまだ満足の行く出来でない部分は少なからずある。であるからなおのこと「噂」さえ止まってしまった状態というのはどうにも歯痒く感じるのが事実なのだ。
ハイアマチュアのターゲットは今確実にフルサイズ機に向かっているように思われる。ただ、ここまでAPS-Cサイズでの展開が続いた以上、これが全てなくなるということは考えられない。だとすると、APS-Cサイズの展開はエントリーからミドル・ハイアマクラスをターゲットにし、それ以上のハイアマからプロユースをフルサイズ機がカバーする構図が出来上がるのかもしれない。
ということでひとつの図を描いてみた。あくまでわたしの半可通な認識を元にしたものなので異論反論はあると思うがお遊び程度のことと許して欲しい。各カメラが志向するボリュームゾーンの構造図である。

ニコン・キヤノンの2強はそつなく全領域をカバーするラインナップを構成しているのがよくわかる。キヤノンのほうが微妙に偏りのある構成にも見えるが…。ソニーはあまり良く把握していないので書かなかった。
この図式にペンタックスをあてはめてみたが、どう位置づけるか難しかった。一応ざっくりとした形で各ユーザー層をカバーしているが、「弱さ」は否めないように思う。
フィルム時代からの固定ファン層がこれから志向するといえばおそらくフルサイズであろうが、これまでフィルムカメラ分野を縮小しAPS-Cでやってきたこともありフルサイズのレンズ資産が壊滅状態。じゃあこれまでファン層の関心を集めていたある種「希望の星」的な645デジタルはといえば、製品の形になったとしてもおそらく相当高価になるだろうしそれが担っていた部分を今やフルサイズ機がカバーしつつある印象がある。ということでかなり難しい立場に追い込まれているのではないかとも思ってしまう。
わたし個人で言えば、フルサイズ機は価格やレンズうんぬんの前に今のところ必要を感じていない。で、ペンタックスはやはりいずれフルサイズを出すと思うが、ニコンにおけるD300のようにAPS-Cフォーマットでもフラッグシップ機を並べられるかというとそこは悲観的。そうなるとAPS-Cはどこかの時点で止まってしまう、それを恐れているのだ。
これはあくまでペンタックスが「生きて」いればな話なのだが…(そこを心配しなきゃならんのは悲しいところだ)。
昨今のカメラ市場を見るにつけ、なんとなく憂鬱な感にとらわれる気がするのはわたしだけじゃないんだろうな、と思います。これまでもかなりやきもきさせられてきたが、ここ最近はかなり諦め入ってきたペンタックスユーザー、少なくないかもしれませんね。
E-510を買ってから2フォーマットを存置して使い分けることってやっぱりしんどいなぁと実際思うのですが、フォーサーズは「マイクロ」で開花する部分がありそうだし、じゃあペンタはというとこれだし…。大上段にエントリー立てるほどの写真撮る訳じゃないのに何を言うとんねんと笑われそうですがまあそこはいち「カメラ好き」の駄法螺ということで。
Posted by Nia at 23:15
コメント
>Niaさん
コメントありがとうございました。非難、揶揄されるかと思っていました。
何故か、何度も読み返してしまいます・・・・
ユーザー(=信頼)を増やすのは大変な事なのですね。
ペンタの魅力(実力、防塵・防滴、価格)は素晴しいと思います。
ただ、何かが、心に引っかかります。
何がいけないのでしょうか・・・憂鬱になる気持ちが痛い程伝わります。
自分の事の様に悩んでしまいます。
また、ペンタの魅力!!あったら教えてください☆
ワクワクさせてもらいます。
>ニゴさん
はじめまして!こんにちは。
そうですね。ペンタックス(HOYA)が情けないのですよね。しっかりせいよ!と言いたいですもの。
いくら魅力のある製品を作っていても、ことデジタル一眼のように日進月歩でテクノロジーが進化していくジャンルのものはその将来の見通しがちょっと怪しげだと考えるところはありますものね。そうやってユーザーになってくれるお客さんをみすみす逃していることをわかってない訳ではないとは思うんですが。現ユーザーとしても新しくユーザーが増えればうれしいことなんですけど…。
わたしもペンタックス中心とはいえあっちこっちに「浮気」していますので、「いや、やっぱりK20Dいいですよ!買いましょう!」と全力では言えませんもん(^^)。ニゴさんが欲しい!と思ったものをお買いになればいいと思いますよ。最新のEOS50D、いいじゃないですか。どうぞデジタル一眼の奥深い世界に是非足を踏み入れてください!
コメントありがとうございました!
初めまして!
はじめて見させてもらいました。
とても、考えさせられる内容でした。
今、持って(デジ一)はいないのですが、
K20Dが本当に欲しいと以前は考えて
いました。
でも、会社経営がゴタゴタしていると
知り戸惑い始め製品より会社で選ぶこと
に決めました。
とても、情けなく思うのは私だけでしょうか!?
今欲しいのがキヤノンさんの50Dです。
長々とすみません。
>GaoYanさん
キョロキョロせずに写真撮っとれと言われればその通りですはいすみませんなのですが、カメラスキーとしてはやっぱあっちこっちの動向は気になるもので…。おりしもフォトキナの季節ですしね(^^)
んん〜。
確かにPENTAXの現状はお世辞にも良いとはいえませんねぇ。
まぁ、自分の場合、K20Dの出動回数はまだまだ少なく、その分まだまだ楽しめそうなので、あんまり心配してなかったりしますが。
>みきちゃわん
猛暑でバテ気味でしたがなんとかやってますよー。
おっひさー!
生きてた〜?!
元気?
私も元気や〜!
トラックバック
トラックバックURL
http://phoney.jp/nia/tb.php?ID=441