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サムスンNX10インプレッション

 「やーい結局買ってやんの」と言われるコト必至ですが、もう言い訳を考えるでもなく「ハイその通りでございます<病膏肓に入る>という奴でさァ旦那。」と応えるしかないワケでございます。
 なにせペンタックスのOEMを受けていたとはいえサムスンにとっては「初物」ですから興味はあったんですよね。でもやはり「国内で販売していない」「保証を受けられない」というのが大きなネックで、なにかこう押されるものが必要だったのですが、巡回先のブログで入手して使用した人がおおむね好印象だった、そして思いつきで15年ぶりの訪韓を決めたというタイミングが今まさに!ということでしょうか。
 ということでNX10と同時に購入したレンズについて、以前から所有するマイクロフォーサーズ機・LUMIX G1との比較も交えつらつら書こうと思います。なおあくまで筆者の主観に基づく「印象記」ですのでスペックとかお定まりの内容についてはデジカメWatchのレビューあたり【※1】をご参照ください。

まずは購入ですよ

 わたし自身値引き交渉があまり得意でない、そしてカードでの購入ということで有象無象がひしめくあたり【※2】は避けようと江辺(カンビョン)のテクノマートへ行ってみたら、同じものを扱う小商店がフロア中に多数並んでいるという韓国ではよくあるつくり。ただ客引きはあくまでそれぞれ商店のブース内もしくはショーウインドー前から声をかけることがいわば「紳士協定」のようで無理に引っ張られるということはありませんでした。
 で、ぱっと目についた手近な店で拙い韓国語で値段交渉をした結果、ボディ+18-55mm+30mmで102万ウォン(当時約73,000円)で購入を決めたのですがちょうど在庫がなく、スペシャルモデルの白ボディ+30mmキットに18-55mmを足す形で107万ウォン(同約77,000円)という価格を提示されました。ボディカラーにこだわりはないので黒でよかったんですが、他の店でもう一度交渉するのも面倒だし、様子を見ていると他の店ともある程度在庫を共有している風でもあったのでこれで納得することにしました。ちなみに現金での購入にすればもう少し安くなったのは日本の量販店でもよくあることです。

製品パッケージ 付属書類
商品パッケージ かんたん説明書・保証書・プリントサービスクーポン
アクセサリー紹介パンフ・ソフトウェアCD-ROM

使ってみたですよ

・ボディ

 黒ボディは表面に細かなシボ風処理がされているようですがこの白ボディはそれがなくつるんとしています。もちろん樹脂製(エンプラ?)ですが特に安っぽく感じるようなものではありません。
 マイクロフォーサーズ機、そして同じAPS-Cサイズのセンサーを積むNEX3/5を見た後ではその小ささをもっての「驚き」はありませんが、その「ほどほどの」小ささとトラディショナルな一眼レフの形状をしてまとまりのよさを感じます。特にパンケーキタイプである30mmとのマッチングは非常に良好。またこの形状だからこそ、ボディサイズに比してかなりデカくなる望遠ズームでも極端な違和感を持ちにくいかも知れません。
 ホールド性は使用者の手の大きさによって左右されそうですが、グリップの滑り止めがしっかり効いていて決して悪くはないと思います。これに対しG1では電池収納部を兼ねてグリップ部を強く押し出していますがそれゆえ手が大きいとホールドしきれない指が余り、また表面処理がすべすべしていて手のひっかかりは良くない。またその形状からくるイメージで「高倍率ズームコンパクト機」然としてしまうところが評価を分かつところかもしれません。わたし自身としてはNX10の「カメラらしい風貌」が好きですね。小さいカメラなので白黒パンダなカラーリングもご愛嬌でしょうか。

G1と比較・パンケーキ前面 G1と比較・パンケーキ上面
NX10+30mmとG1+G20mm
前からみたところ
NX10+30mmとG1+G20mm
上からみたところ
G1と比較・標準ズーム前面 G1と比較・標準ズーム上面
NX10+18-55mmとG1+G14-45mm
前からみたところ
NX10+18-55mmとG1+G14-45mm
上からみたところ
・ストラップ

 ストラップはボディ直付けのアイレットを通すようになっていますがこのアイレットが細くて狭い!(高倍率コンパクトカメラに付属しているものの様なの)おかげでストラップ探しにはここを通すビニール編み紐が細いものでなきゃいけない。ということで現在装着しているのはkingの「color collection レザーストラップ ライトブラウン(CCLS-04)」です。たすき掛けにできるぐらい編み紐部分が長いので「ニコン結び(プロスト結び)」にして極力短くしています。

・ディスプレイ&EVF

 サムスンお得意のAMOLED【※3】は画素数こそ凡庸なもののそれを感じさせない非常にきれいなもの。明るさだけでなくコントラストや色相も調整できるところも良いですね。92.1万ドットのEVFは凡庸かも知れませんがMFのピント合わせに十分使えています。これに対しG1のディスプレイは3:2比率のもので、4:3フォーマット時には左右に黒帯が入り表示が小さくなる難点がありますが、2軸バリアングルというのが大きな強み。そしてご存知のとおりEVFは144万ドット・0.7倍という圧倒的な見易さを誇っているのでここは勝負になりません。
 背面ディスプレイとEVFの切り替えはG1(G/GHシリーズ)と同じようにアイセンサーで行えますが、センサー位置がLUMIXはEVF横なのに対してNX10はEVFの下、少し奥まったところにあります。これ、LUMIXを使ったことのある人ならわかると思いますがEVFを覗くためでなくボタン操作のため顔や手が近づいただけでもEVFに切り替わってしまい「もー!」となってしまうことがNX10ではかなり少ないんですよね。しっかりEVFを覗くように顔を近づけると切り替わるという感じです。
 背面ディスプレイが4:3比率でありながら選択できる画面比率は3:2もしくは16:9のみ。ということで画面下部は撮影モード・シャッター&絞り数値・露出補正スケール・残撮影可能枚数・電池残量といった基本パラメーター表示に使われています。これ、ちょうど一眼レフのファインダー内表示みたいなので経験者にはわかりやすいかも。そしてディスプレイに表示できる補助線が常時表示でもあまり邪魔にならない細線なのもいいところ。G1の表示はせっかく精細度の高いファインダー使ってるのに太すぎてしかも白色なので常時出しておけないのがちょっと残念です。

・フォーカス

 AFの速度はまずまずといったところ。G1+14-45mm使用時の高速さには負けますがG1+20mmよりは早い感じ?18-55mmと30mmで大きく差がつかない感じでしょうか。コンティニュアスの追従性・暗い場所での合焦性能はまだまだですね。これはコントラストAF機全般に言えることですが。
 マニュアルフォーカス時に画像中央部を拡大する機能もあってこれはマウントアダプター経由で他マウントのレンズを使用している時にも使えます。一応「レンズ遊び」のことも考慮に入れているのでしょうか。ちなみにG1は開発者自ら「レンズ遊び」に使われるのを意図していたとの発言どおり、非純正レンズ装着時でもフォーカスフレームの画面内自由移動・拡大倍率変更ができるのでその点は大型で高精細なEVFも相まってひっじょーに快適です。
 オートフォーカスのバリエーションで一見機能がわからなかったのが「セルフガイドAF」。これ、いわゆる「自分撮り」用のモードで、選択するとフォーカスが最短距離に固定され、カメラを自分に向けて顔が中央に認識されると合焦とは別の音で知らせてくれるというモードです。バリアングルを使わず自分撮りを「力技」でやってしまうその発想が独特ですねー。

・シャッターラグ

 これは「あります」。動きモノを撮ろうとすると若干気になるかな。

・ユーザーインターフェイス

 機能のボタン割り振りやメニュー構成はオーソドックスですが、その「見せ方」がうるさくない程度に演出されている感じ。ピクトグラム的表現も含め何をどういじっているか、わかりやすくデザインされています。トラディショナルなカメラの如くあえてアナログ風な表現とかレトロフィーチャーであったり、そういったところが決して嫌味にならない消化のされ方をしているのが印象的です。
 ディスプレイに「何を」「どう」表示するかについて、どのメーカーも性能や機能の進化に熱中している割にはロクに考えていないんじゃないかと思うんですが、そんな中このNXは「考えている」。デザインを重視した商品も多いサムスンならではですね。
 操作ボタンの中にはペンタックス機でおなじみのグリーンボタン(に相当するもの)が。このボタンが持つ機能は「パラメーターの初期化」【※4】。ペンタックス機を使っている人や操作に慣れている人なら見ずともわかるかも。
 あと興味深いのはHDMI端子を使って外部モニターに接続した際、表示内容やメニュー構成を独自のものにしているところ。カメラ本体のディスプレイ表示をそのまま外部出力している機種がほとんどだと思うのですが、ここはサムスンのAV機器をトータルコントロールする規格"AnyNet"のためでしょうか。

・画の傾向

 ピクチャーウィザード「スタンダード」でみると、記憶色など強調のないバランス型の画質という印象です。ノイズの出具合などは同じメーカーの素子を使うK20Dなどに似ているようにも思いますが、ペンタックス機がノイズをなめる処理をあまりしないのに対しNX10ではそこそこノイズを「ならしている」感じがあります。それとシャープネスもニュートラルな状態であっても若干強めにかかっているように感じます。

・ピクチャーウィザード

 他社製品の「カラーモード」や「仕上がり設定」にあたるこの「ピクチャーウィザード」にも個性があります。"Vivid"や"Landscape(風景)"は名前で分かるとおりですが、"Forest"はその名の通り緑を強調し、"Cool"は青みを増してコントラストをつけた感じ。"Retro"と"Calm"はどちらも彩度の低い柔らかい雰囲気ながら"Retro"は少し黄色を増して色あせた風合いになっています。なお各設定ごとに色相・彩度・シャープネス・コントラストの調整ができるほか別に3つの設定をカスタムとして保存できます。

ピクチャーウィザード・Standard
ピクチャーウィザード・Standard
※以下と若干光線状態が違うので参考程度に
ピクチャーウィザード・Vivid
ピクチャーウィザード・Vivid
ピクチャーウィザード・Landscape
ピクチャーウィザード・Landscape
ピクチャーウィザード・Forest
ピクチャーウィザード・Forest
ピクチャーウィザード・Retro
ピクチャーウィザード・Retro
ピクチャーウィザード・Cool
ピクチャーウィザード・Cool
ピクチャーウィザード・Calm
ピクチャーウィザード・Calm
・スマートレンジ

 スマートレンジとはいわゆる「白飛び補正」。設定ON時にはペンタックス機と同じくISO下限値が200になります。
スマートレンジ・サンプル1(適用前)
【サンプル1】スマートレンジOFF
スマートレンジ・サンプル1(適用後)
【サンプル1】スマートレンジON
スマートレンジ・サンプル2(適用前)
【サンプル2】スマートレンジOFF
スマートレンジ・サンプル2(適用後)
【サンプル2】スマートレンジON

 見ての通り暗部を持ち上げ飛んでしまいそうな明部を落とすような効果が得られます。ただし万能というワケではなくその過程でディテールの具合が変わってしまうので表現意図によって使う使わないを選択すべきでしょう。

・動画撮影

 最高画質で720p・30fpsのH.264フォーマットと「普通」ながら、録画開始・終了を黒フェードイン・フェードアウトできるのが面白いところ。撮影した動画をPCで編集する人ばかりじゃなく、撮ったそのままで保存したりあるいはネットにアップロードする人も少なくないはず。そういったところが見えているからこその機能とも言えそうです。絞り優先AEが使えるところ、ボケを生かした動画撮影もある程度できそうです。

・その他目のとまったところ

 ・撮影サイズが1472×976ピクセルに固定されるものの30コマ/秒撮影を可能にする"Burst"モードはコンパクトデジタル機によくあるフィーチャー。
 ・セルフタイマーが2秒から30秒の間で任意設定できるのも面白い。

レンズですよ

【SAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6】

18-55mm・G14-45mmと比較 両者最大望遠まで伸ばしたところ
G14-45mmと比較 鏡筒を望遠端まで伸ばしてみた

 ・作りは非常にプラスチッキー。
 ・多目の歪曲以外描写に不満はありません。ただしソフトウェア補正をせず素のまま記録しているとすればそれはそれでいいのかも。
 ・望遠側に行くにしたがってズームリングが重くなる件が何人かの使用者からあがっていますが、ウチのもそうだったのでこれは仕様かも知れません。

18mmで撮って出し 18mm補正後
18mmで撮って出し 18mm・Adobe Lightroom3.2でレンズ補正後
55mmで撮って出し 55mm補正後
55mmで撮って出し 55mm・Adobe Lightroom3.2でレンズ補正後

 ・手ぶれ補正の効果については以下の役に立たないサンプルでお察し下さい(なげやり)。

望遠端55mmで撮影
この画像の中央にある看板部分の等倍が下の比較です(望遠端55mmで撮影)。
手ブレ補正サンプル
中央部の切り出し
 全然厳密でないサンプルですが、使ってみて自分的には「充分じゃない?」と感じています。

【SAMSUNG LENS 30mm F2】

G20mmと比較  ・やっぱコンパクトなミラーレス機にはコンパクトなレンズがお似合いですね。
 ・F2と明るいのが美点。しかも換算45mmという「ちょっと広めの標準」という使いやすい焦点距離もあってつけっぱなしでもさほど困らなかったりする万能選手です。
撮って出し 補正後
撮って出し Adobe Lightroom3.2でレンズ補正後

マウントアダプターはどうですか

 サムスン純正でKマウントアダプターがあるのは自社一眼レフがKマウントである(というかペンタックスOEM)からでしょうが、その他のマウントに対応するアダプターを独NOVOFLEXがリリースしています。しかし日本でNOVOFLEXのマウントアダプターを扱っている近代インターナショナルがNX用アダプターを輸入してくれるとは思えないので個人輸入で買ってみました。手持ちのレンズのラインナップ上Kマウントなんですがね(^^)。
 マウントそのものは絞り環のないレンズ用に青い絞り可変リングが付いたNOVOFLEX共通の意匠を持つもの。目盛りやクリックなどはないので絞り値は見た目で推定となりますが、NX10側で絞り優先が効くのでG1はじめ他のミラーレス機と同様にその敷居は高くありません(マウントアダプターの「価格」が低くないのがアレですが^^)。

ほぼ同寸で比較
同じsmc PENTAX-A 50mmF1.4をマウントアダプター使用でボディに装着したところ(同寸)
A50mm装着図 DA40mm装着図
smc PENTAX-A 50mmF1.4装着の図
なんか違和感がないぞ。
smc PENTAX-DA 40mmF2.8Ltd.装着の図
もともとぺったんこだからアダプターつけてもこのとおり。
DA12-24mm
smc PENTAX-DA 12-24mmF4使用
ピクチャーウィザードはStandardなのにこのこってり感!さすがDAレンズ。
Super-Takumar 55mmF1.8
Super-Takumar 55mF1.8使用(K-M42アダプター使用)
カリカリにシャープなレンズの特徴がよく出ています
DA55-200mmF4-5.6
smc PENTAX-DA 55-200mmF4-5.6ED WR使用(望遠端)
DA55-200mmF4-5.6
smc PENTAX-DA 55-200mmF4-5.6ED WR使用(望遠端)

まとめですよ

 サムスンのオリジナル、しかもミラーレス1号機としては非常にそつなく、使いやすくまとまっていると思います。またこれまでのペンタックスとの協業もあってか、ペンタックスがミラーレスを作ったらこんな感じになるんじゃ?みたいな雰囲気もありますね。いっそのことOEMで受けてファームをペンタックス仕様にして売ってもいいのでは…とは無茶でしょうか。
 惜しむらくは日本での展開予定がないためかメニューに日本語がないこと。コンパクトカメラでは最近日本語も入っているのが多いのにちょっと残念です。サムスンのカメラはデザインにせよ機能にせよユニークなものがあるのでもっと知られてもいいのにと思うんですがそもそも市場にないとねぇ…。
 いずれにせよこのNX10、完成度は高くオリンパス・パナソニック・ソニーと並べて十分遜色のない選択肢として成立していると感じます。それだけに日本の市場で売られないのが残念ですが、なんせお隣の国ですし輸入代行業者など現地に行かずとも入手できる方法もあるので日本で使っている人は少なからずいるようですよ。
 とあるカメラ店によるとNXユーザーにはペンタックスユーザーでもある人が多いとか。やはり操作性の部分で共用しやすいんでしょうね…。(Octobre 5,2010)

【追記】
 2010年グッドデザイン賞(個人向けA&V機器)にこのNX10も選出されましたが、日本サムスン所属のデザイナーも参画しているんですね。ますます日本で売られないのが残念な気がします。

注釈

【※1】
【新製品レビュー】サムスンNX10〜初のAPS-Cレンズ交換式ミラーレス機の実力は? (2010.5.24)
ミラーレスAPS-C機「サムスンNX10」を購入してみた (2010.2.18)
このあたりが詳しいかと。
【※2】東大門とか龍山とか
【※3】アクティブマトリックス有機ELディスプレイ
【※4】具体的には…プログラムシフトしている時に押すとシフト解除、画面内でAFターゲットを移動しているとき押すと中央に戻る(フレームサイズはそのまま)、ホワイトバランス・色温度・セルフタイマー秒数・フラッシュ調光などのパラメーター調整時に押すと初期値に戻る。

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